[2000.10.12]
  ワイヤードという箱船


 ▼クローニング技術は希少動物を救うか(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20001011305.html


 神は告げた。「すべての肉なるものを終わらせるときが来た。わたしは,地上に洪水をもたらし,すべての肉なる者を滅ぼす。お前は箱船を用意し,家族とともに入りなさい。またすべての命あるものをひとつがいずつ連れて入り,お前とともに生き延びるようにしなさい」。神よ,私の箱船を,お守りください。

 アドバンスト・セル・テクノロジー社の技術によって,希少動物のガウルを,他種の雌牛から出産させようとしている。これは他種牛の卵から核を取り除き,そこにガウルの皮膚細胞を融合させたもの。胎児の細胞の染色体は立派なガウルのものであることが確認されている。同社では,この技術を使い,医療目的での人間の細胞組み換えを目標としている。

 ここでは生物クローンに関する話はしない。ただ,もうひとりの自分のいる場所としてのワイヤード,と,話はクロスする。いつの日か人は,迫り来る滅亡を,どのように迎えるのか? もし逃げ出す術があるとしたら,それはどこなのか? 頑強に作られたシェルターの中か,遠い宇宙の果てか,はたまた? そう,すでにひとつの世界として成り立っている,そしてより私たちがメタファライズしていくワイヤードは,人間の逃げ場所に足る。もっとも近い,手を伸ばせばすぐにある,救いの場所。

 肉体になんの意味があるというのか? きらめきを放つ思考と感情と,そしてリアルよりも劣るかもしれないが,実体を認められる境界を電子でつくって,それ以外になにが必要? 肉を捨てることに,人間としての損失はない。「ここが,僕のノアの箱船になる。最後に箱船が乗り上げるアララトの山として,僕は今,このサイトを積み重ねていく」。


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